大変でした その2
人が亡くなると、遺族にはすることがいっぱいある。
役所に届けないといけないものがわんさかだ。
健康保険や年金などは2週間以内と決まっている。
呆けている時間はない。
だがここで思わぬ障害が現れた。
直系卑属という言葉をご存知だろうか。
「祖先から子孫へと直通する系統の自分より後の世代」のことをいう。
実家の家系は複雑で、今回亡くなった祖母は祖父の3度目4度目の嫁、後妻になる。
(戸籍を調べたら4人目の嫁だったよ……。おじいちゃんェ……)
母とは血縁関係がない。血族的にも法律的にも。
ところが私の父は祖父とこの祖母との間に養子縁組をしており法的な息子(養子)となっていた。
これがそもそもの間違いのもとだった。
祖母は母もこのとき自分の子となったとずっと勘違いしていた。
母は事実を知ってたが、夫が養子になっていたので、子である私たちに代襲相続されると思っていた。
(代襲相続とは、相続する人が亡くなっていた場合、その子供に相続権が移ること)
この2人の大いなる勘違いが悲劇を生む。
母と祖母の間にはなんら関係がないので、いくら面倒を見ていようが一緒に暮らしていようが相続権がない。
元は自分の父の財産であっても、後妻に相続された分は戻ってこない論理だ。
なら私に代襲相続されるのかということ、これも否だ。
養子縁組したときに、すでに生まれていた子は代襲相続しない。
代襲相続が認められるのは直系卑属だけなのだ。
(ちなみに養子縁組のあとに生まれた子は直系卑属となり代襲相続できる。)
なんと、ずっと「おばあちゃん」と呼んでいた人は戸籍上では私とはまったく関係ない人だったということになる。
法律って複雑ね、って笑えればいいが、そうはいかない。
なにしろ「まったく関係ない人」なので諸手続きが一切できないのだ。
そして当然遺産相続もできない。
祖父が立てたボロいアパートも、この土地も、祖母が相続した部分は母の元に戻らない。
最悪、ここを出ていかなければならなくなるかもと知って、母は放心したようだった。
今日、私は下関から一時的に戻ってきた。
私にもこちらでやらなくてはならないことがあるからだ。
終わればすぐにまた下関へと戻るつもりだ。
遺産問題は法定相続人に手紙を書き、問題を明確にした上で判断をお任せすることにした。
相続人たちが選ぶ選択肢に寄っては1年ほど行ったり来たりを繰り返さねばならないだろう。
裁判所にも行かないといけないかもしれない。
滞在中に弁護士にも会ったが、やっぱりかなり時間がかかるそうだ。
面倒なことこの上ないが、せめて葬儀費用だけでももらわないとやるせない。
なにしろ葬儀費用、全然ないという母に代わって、弟と私がお金を出し合っているんだから戻ってこないとちょっと困る。
そんなわけで、当分バリは遠いと思うのよ、ごめんね。
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