家を買う
帰郷したときに、母と祖母が大変苦労しているのを見て、私は少し危機感を持ちました。
薄情なことに、それは母たちの今後を心配するものではなくて、自分たちが年を取ったらどうなるだろうという、とても自己中な心配。
坂を上って下って、10分以上歩いてもスーパーも何もない。
日々の生活用品を気軽に買いに行けない。
家はすでに45年以上経ってボロボロ。
もちろんバリアフリーなんかであるはずがない。
こんな状況下で暮らしている彼女たち。
でも、まだ持ち家だから彼女らは年金だけで暮らしていけています。
今、私たちは賃貸マンションに暮らしているわけですが、そこでふと思ったのです。
今の生活がずっと続くわけではない。
いつか定年して年金が主たる収入となってしまうかもしれない。
そんなときに賃貸のままだときっと生活できなくなるでしょう。
どんなに安い公営住宅でも数万の家賃は払わなくてはならないのですから。
それに年を取れば車で気軽に移動ということもできなくなる。
そんな時に坂のある場所だと大変です。
車いすの生活がこないとも限らないわけだし。
なんだか遠い先のことばかりを心配しているようですが、住宅ローンの返済期間を考えると今が一番いい時期。
そこで「東京で家を買う気はない!」とずっと言い続けてきた相方を、勇気を出して説得してみることに。
すると今まであれほど賃貸派だった彼も、老後の不透明さから、重い腰をほんの少し上げてくれたのです!
狙いはとりあえず近場の中古マンション物件……と言いたいところですが、彼は地方の大きな家で育った次男坊なので、やっぱりマンションを買うのはいやだと。
そこでとりあえず一戸建てを探してみることにしました。
ところがですね、一戸建ては中古物件だとかなり古い物件になってしまい、新築だと彼いわく「こんなの家じゃない」くらいの狭小住宅&旗地(道路に面していない)なのです。
マンションの方はどうかというと、古い物件は耐震性に問題がありますし、1部屋が6畳以下の物件が数多い。
この時点でかなり行き詰まった感がありました。
で、どうしたかというと。
近場を捨てて、通勤時間が1時間以下の範囲で片っ端から新築マンションを探し始めました。
結構あるものですね。
贅沢言わなければ、この近辺でもかなりの数が売れ残っています。
うちから見える新築マンションも売れ残って、毎週値下げの広告が入ってます。
チラシだけでも5物件くらい値下げ広告が入ってきました。
ただこれらのマンションは彼に言わせると「狭い」。
またマンションを買うなら駅近物件のほうが、のちのち売らなくてならなくなったときに有利かと思い、これらは候補からハズしました。
そんな取捨選択(捨ててばかりですが)の中、とりあえずマンションモデルルームというのはどういうものなのか、買う予定もないけど行ってみることにして、私が買い物ついでに隣町にあるモデルルームへ出かけてみました。
初めてなのもあって、いろいろと興味深い話が聞けましたが、一番驚いたのが自分たちが考えていたよりもローン金額が大きかったということです。
ほぼ2倍の金額が借りられることに驚きました。
そこはすでに完成済みだったので、モデルルームは実際のものを見たのですが、なにもかもピカピカ、インテリアも格好いいし、本当にすてきな空間でした。
まったくアウトオブ眼中な物件でこれだけステキと思うなら、意中の物件だと舞い上がる人がいてもおかしくないかもしれませんね。
とりあえず、いただいた資料や話を相方に話して、ようやく彼もモデルルームを見学してみようという気になったようです。
そこで、通勤1時間以内、駅徒歩5分、広さも十分な物件に飛び込みで行ってみることになりました。
それが運命といえばそうだったのかもしれません……。
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